橋下知事就任2年 「高支持率 内実伴ったものに」富野暉一郎・龍谷大教授(元逗子市長)(産経新聞)

 自治の考え方からいえば、住民が「自分たちで、新しい大阪府をつくる」との思いを持つことが理想だが、実際は難しい。府民は「誰かに府を良くしてもらいたい」という思いがあり、強いリーダーシップを発揮する橋下知事の登場がその思いと適合した。ときに過激で、品のない発言をすることもあるが、クリーンでしがらみもないのが人気の秘訣(ひけつ)だろう。

 83・2%という支持率はほぼパーフェクトといってもよい高さだが、「賛成が多いから何をしても良い」という理屈が一人歩きすると、独裁政治を生む恐れがある。過去の独裁政治を振り返っても当初は大衆の高い支持を受けていた。

 支持率の高さを内実の伴ったものにするためには、課題についても考える必要がある。

 まず、知事には政治家と行政のトップという二つの顔がある。政治と行政の比率は「2対8」と言われることもあるが、橋下知事は政治家としての発言が多い。意見を述べることも大事だが、現状のルールや仕組みを軽視しすぎるのが気にかかる。トップがルールを無視すれば、仕組みが崩れかねない。

 第2に、体系的政策をつくるのが不得手なのではないか、ということがある。

 橋下知事は問題点を顕在化させ、事態を変える力がある。ただ、「モグラたたき」のように、問題が出るたびに対処しているように映り、政策がどう結びついているのか見えにくい。

 知事ひとりがすべてをするのは難しいので、「一人だけが頑張る」というやり方ではなく、もっと組織的に智恵を集める方法を導入するべきだ。府庁内部だけでなく、外部に頼るのも方法。しっかりと知事に直言できるブレーンを持つことが大切だ。

 第3に議会との関係。「自分を支持する議員を増やす」という動きばかりに傾注するのは良くない。議会をチェック機関として機能させるためには、議会が知事のいいなりになってはだめ。権力の集中ではなく、権力の分散こそが民主主義の原則だからだ。 (談)

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